栃木・宇都宮 大谷石の魅力と活用法

大谷石(おおやいし)について
1. 大谷石とは?
栃木県宇都宮市の大谷町で採れる大谷石は、今からおよそ1500万〜2000万年前の海底火山の噴火により堆積した火山灰が、長い時間をかけて固まってできた凝灰岩です。特徴的な淡い緑色は、含まれている鉱物成分(主に緑泥石)によるもので、「グリーンタフ」と呼ばれることもあります。柔らかく加工しやすいため、古くから建材や生活用品として重宝されてきました。
2. 大谷石の特性と活用方法
・吸水性・耐熱性
大谷石は多孔質で水分を吸収しやすく、また熱にも強いという特性を持っています。このため、コースターや鍋敷き、キャンドル置きなどの日用品としても人気があります。表面がほんのり湿っていても、サラリと乾く心地よさがあります。
・調湿・消臭効果
空気中の湿度を吸収・放出する働きがあり、自然な加湿・除湿機能を持つ素材として、現代の住環境にも適しています。冷蔵庫内のにおい対策や、靴箱、トイレの消臭にも効果的。脱臭剤を使わずに快適な空間づくりが可能です。
・癒し効果(マイナスイオン・遠赤外線)
大谷石に含まれるゼオライトという鉱物には、マイナスイオンを発生させ、さらに遠赤外線を放出すると言われています。これにより、心身のリラックスや自律神経の安定、免疫機能のサポートにも寄与する可能性があります。インテリアとして空間に取り入れることで、癒しの効果が期待されます。
3. 建材としての大谷石
天然石ならではの質感や風合い、そして色むらや「ミソ」と呼ばれる黒い斑点などが独特の美しさを演出します。日本では、明治〜昭和初期にかけて、多くの建築物に用いられました。
・主な用途:石塀、蔵、ファサード、床材、内装壁面など。
・断熱性・調湿性に優れた素材として、蔵の建築に適しており、温度と湿度を一定に保つ「天然の冷蔵庫」としても活用されてきました。最近では、古い石蔵を改装したカフェやギャラリーとしての利用も増えており、大谷石の持つ歴史的価値と現代的デザインの融合が注目されています。
4. 大谷石が使われた建築物の例
- 松が峰教会(宇都宮市)
5. 大谷石の魅力、再発見
かつては一般住宅でも広く使われていた大谷石。時代とともに姿を消していたその存在が、近年「ローカル資源」「サステナブル素材」として再評価されつつあります。地域に根ざした自然素材としての温かみと、機能性を併せ持つ大谷石は、現代の暮らしにやさしく寄り添う素材です。
世里花の店内にも大谷石が一部ちりばめられていますので、ぜひご来店の際に探してみてください。静かに存在感を放つその石の風合いも、当店の空間演出の一部です。